第322話 決める勇気と決めない我慢

 
【322話】決断がもたらす変化と代償/ビジネスの意思決定/個人とチームの判断/決断の早さが生む弊害/月刊現象/エッセイ継続を決断/極端な方針転換の反省/事前相談の重要性/公園談義の方向性模索/ゆるいコンテンツの追求/蕎麦談義/自然な会話/恋愛トーク/リラックスした収録実現/決めずに待つ価値/Xのタイムライン/工夫も限界/SNS疲れ/noteで短文投稿開始/決めない姿勢も大切に/決める勇気と決めない我慢の両立
 
 
 
みなさんこんばんは、上水優輝でございます。完全招待制の晩餐会を開催したり、公園にレジャーシートを敷くなど、存在としての公園をコンセプトに様々な活動をしています。

決めることのメリットとデメリット

物事を決めるということは、どこに行く・行かない、誰かと付き合う・付き合わない、変更する・しない、始める・やめるなど、何か決定しないと次に進めない場面がたくさんあります。
私は決めることが得意というか、自然に決めてしまうタイプです。デフォルトが「決める」になっていて、決めずに放置することがなかなかできません。物事を決めるから何かが始まり、何かが終わり、次々に展開していく。それを見て「決められていいですね」「自分は決められないんです」とおっしゃる方もいます。
ただ、私自身は何でも決めることを特別いいこととは思っていません。物事には一長一短があり、決めることで面倒なことになることもたくさんあります。決めずにそのままにしておいた方がいいこともあるのです。
特に集団で何かをする時には、決めずに現状のままいた方が長く一緒に活動できることもあります。決めると変化が訪れ、その変化に耐えられない人がいてチームがバラバラになることもあるからです。よほど目的意識や利害が一致していない限り、頻繁な変化はトラブルのもとになります。
ビジネスの場面では、1秒でも早く決めた方がいいという考え方があります。もちろん、データを集めて分析して論理的に判断する前提はありますが、意思決定のスピードは速いに越したことはありません。
しかし、組織の中で働いていると、決めるスピードが遅すぎてストレスになることもあれば、私が決めてしまうと早すぎてみんながストレスになることもあります。この「決めてしまおう」という特性は、必ずしもいいことばかりではないのです。

月刊現象の方針転換

この弊害は、一人で動いていることでも起こります。最近の例として、月間現象という毎月発行しているエッセイがあります。LINE公式アカウントをお友達登録していただいている方に配信し、メンバーシップの方は過去の発行分も見られる仕組みです。
9月に書けず、10月の発行にも間に合わなかったため、「できないことをやると言っているのは良くない」と考え、音声配信に変更すると発表しました。音声の方が私には楽で、期日に届けることができると思ったからです。
ところが、その配信を聞いて「エッセイすごく楽しみにしていた」「ポッドキャストよりも文章の方が本音が伝わってきて好き」という声をいくつかいただきました。そんなにちゃんと読んでくれていたのなら、簡単にやめてはダメだと思い直しました。
そこで音声配信への変更を撤回し、また月間現象を文章で書き始めることにしました。楽しみにしているから続けてくださいと言ってくださった方から「別に期限があるわけじゃないですよね」とご指摘をいただき、毎月発行にこだわるのではなく、エッセイを書くことそのものに意味があったのだと気づいたのです。
締め切りをあまり意識せず、毎月1本ペースを目処に、本当に書きたいと思った時に書いた文章を届ける。惰性ではなく、書きたいなと思った時に書く。そんなスタイルでやっていこうと考えを新たにしました。
これは、やめると一旦決めたからこそ聞こえてきた声でもありました。何でもかんでもすぐに決めればいいってもんじゃないということを、すごく反省した出来事でした。

公園談義

一方で、決めずにいたことが良い結果を生んだ例もあります。メンバーシップ限定コンテンツとして配信している「公園談義」という音声コンテンツがあります。公園でおしゃべりしているかのような、ゆるいポッドキャストのような雰囲気を目指して始めたものです。
しかし、ゲストにオファーして収録日を決めて録音すると、どうしてもテーマトークになってしまいます。お互いに構えてしまい、「今回のゲストは〇〇さんです」という感じになってしまう。それは違うなと思いながらも、メンバーシップの特典として表に出している以上、簡単にやめるわけにもいきません。
そんな時、実際の公園でのおしゃべりから気づきがありました。先日、蕎麦の話でかなり盛り上がったことがあったのです。どうでもいい話なのですが、いろんな角度から検討していくのがすごく面白かった。あの空気感が面白いんですよね。
たまたま話が膨らんでいる時に「ちょっとこれ収録させてもらってもいいですか」という感じでコンテンツにするのは、一つの方法としてあるかもしれない。あるいは、ゲストを呼ぶにしても、雑談しながら適当なタイミングで録音を開始して、本当にフリートークしてしまう。そんな録音の仕方もありますね。
早速、今月の公園談義は「そろそろ東京ネイティブ」というポッドキャストの水上さん、ミラさんをお招きして、三人で水上さん家でお茶を飲みながら喋る、リラックスした空気で収録しました。決めずに納得がいかないから決めずに、そしてやめずにその状態を耐えることによって、ふと「これだ」というものに出会えた良い事例です。

Xとの距離感

さらに今朝から開始したことがあります。X(旧Twitter)のタイムラインがもういよいよひどくなってきました。見るに耐えない、具合の悪いタイムラインです。リストを作ったり、個別の人のプロフィールページをブックマークして直接見に行ったりと、いろんな工夫をしてきましたが、それでもリプ欄に変なコメントがついていたりして、見ていて気持ち悪いのです。
以前はよくポストしていましたが、最近はアナウンス中心になっています。もうそろそろ嫌だということを認めようかなと思いました。
私はミクシーが衰退した後、Twitter一択でずっと使ってきました。FacebookもInstagramもいまいちピンとこなくて、自分の肌に合うのはTwitterだけだと思っていました。しかし、最近のXはちょっとひどくて、もう嫌だなという感じになってきたのです。
今後は必要最小限のアナウンスやXのスペースを使った配信などはすると思いますが、Xに滞在して情報を取るということは、かなり目的的な時以外は触らないという方針にします。事実上の引退ですね。
その代わりに、noteですごく短い文章を書こうかなと思っています。Xだと100数十字ですが、プラスアルファで300字とか400字くらいの短い文章です。Xに投稿していたようなことを、文章として書いていきます。これはボーナスコンテンツではなく、本当にXでつぶやいていたという感覚で、思いつきの文章を書くような感じです。
変な人に見られたら困るので、メンバーシップ限定にして書こうと思っています。「新しいマガジンを始めます」という感じでもなく、なんとなく始めてみる。この決めない感じも大事にしていきたいなと思っています。

バランスが大切

決めすぎる自分のような人間は、決めない我慢が必要だと思います。一方で、決めることが苦手な人は、決める勇気を持たなければいけません。このバランスですよね。どちらかが良いという話ではなく、決めすぎるのも決めなさすぎるのも良くないのです。
本日は以上です。またお会いしましょう、さようなら。
 
 

後援のお願い

「存在としての公園」の実践を 継続・発展させていくために ⁠⁠⁠メンバーシップ⁠⁠「存在としての後援」⁠⁠⁠⁠⁠⁠に ぜひご登録いただけると嬉しいです。 いただいたご支援は 活動費にあてさせていただきます。

「存在としての公園」

自らを “公園的なるもの”のシンボル と位置づけ、 どんな場所でも公園さながらに、 包摂的な空間へと変えていく 様々な活動を行っています。
そこではいったい どんな出会いがあり、 どんな現象が起こるのか。 ぜひ”公園”に足をお運びいただき、 あなた自身の感覚で体験してみてください。

公園活動一覧

 

今後の公園予定

 

現象のラジオ